【あなたはどちら向き?】
建築家と建てる家、工務店で建てる家。選び方を迷わないための比較基準について
2026.06.18
こんにちは。
高槻市の工務店、woodplusの武下です。
私はもともと設計事務所でのキャリアを経て、大工に転身した経歴を持っています。設計者としての目線と、職人としての現場感覚、その両方を持ちながら、日々の家づくりに向き合っています。
「建築家に頼むと、どんな家になるんだろう」
「でも費用が高そうで、工務店とどう違うのかもよくわからない」
——そんなふうに感じているご夫婦は、意外と多いものです。実は私自身、設計事務所と大工、両方の立場を経験してきたからこそ、それぞれの良さも課題も肌で知っています。
本記事では、建築家と建てる家のメリット・デメリットを具体的に整理したうえで、woodplusがどのようにその課題をカバーしているかもあわせてお伝えします。
「自分たちはどちらが合っているか」を判断するためのヒントになれば幸いです。

建築家との家づくりとは?工務店との根本的な違いを理解する
「建築家の家=おしゃれな家」というイメージをお持ちの方は多いと思います。ただ、本質的な違いはデザインの話だけではありません。
工務店や一般的な住宅会社は、設計と施工の両方をひとつの会社が担います。そのため、どうしても「自社が得意な工法」「使い慣れた素材」「施工しやすい形状」をベースに設計を進める側面があります。
これは効率やコスト管理という意味では大きなメリットですが、設計の可能性が施工の都合に引っ張られやすい、という一面もあります。
一方、建築家(設計事務所)は施工を行わない純粋な設計者として動きます。施工会社の都合に縛られず、あくまでお施主さまの暮らし方や土地条件から出発して設計に専念できる立場にあります。特定のご家族のライフスタイルに寄り添い、ゼロから設計した家は、その方たちにとって唯一無二の住まいになりやすいという特長があります。
私自身、設計事務所での勤務を経て大工に転身しました。設計者の側にいたときは「こういう空間にしたい」という思考が先にあり、施工側に移ってからは「どうすれば現場で確実に再現できるか」という視点が加わりました。この両方の視点を持っているからこそ、「設計が主」か「施工が主」かというスタンスの違いが、完成した家にどう影響するかを実感として知っています。
どちらが良い・悪いではなく、目的や優先順位によって選ぶべき相手が変わってくる、という理解が大切です。
▶ 「建築家」という言葉の意味と、設計事務所・工務店の役割の違い
「建築家」という言葉は法律上の資格名称ではなく、設計を専門職として独立して行う建築士(一級・二級)を一般的にそう呼ぶことが多いです。設計事務所に所属していたり、個人で活動していたりと、活動形態はさまざまです。
設計事務所に依頼するケースでは、まず設計者と業務委託契約を結び、設計・監理をお願いする、という流れが一般的です。工事自体は別途施工会社(工務店など)に発注し、設計者が「設計図通りに工事が進んでいるか」を確認する監理業務を担う、という二段構えになります。
一方で工務店は、設計から施工まで一括して担います。打ち合わせ窓口が一本化されるため、連絡や調整がシンプルになりやすいという面があります。

▶ 建築家の設計料の相場
家づくりを検討されているご夫婦にとって、費用の見通しは特に気になるところだと思います。ここでは、依頼形態の違いによる設計料の目安をわかりやすく整理します。
①建築家(設計事務所)に直接依頼する場合
設計事務所や建築家に直接依頼する場合、設計監理料は工事費の約10〜15%程度が目安とされているケースが多いとされています。仮に工事費が3,000万円の場合、設計料の目安はおよそ300万〜450万円となります。設計事務所の規模・実績・案件の難易度によってはこれより低い場合も高い場合もあり、実際には幅があります。
この設計料には「設計業務(図面作成)」と「監理業務(現場確認)」の両方が含まれるのが一般的です。監理業務とは、設計図通りに工事が進んでいるかを確認する業務のことで、工事の品質を守るうえで重要な役割を担います。
②工務店と建築家がタッグを組む場合(woodplusのような形態)
工務店が設計から施工まで担う場合の設計料の目安は、工事費の2〜5%程度が多いとされており、同じ3,000万円の工事費であれば60万〜150万円程度が目安です。
なお、工務店では設計に要した費用が工事費の中に含まれて請求される形になっていることが多く、見積り上は「設計料」として独立して表示されないケースもあります。
woodplusが建築家と連携する場合は、この工務店の設計費(60〜150万円程度)に加えて、建築家への設計監理料が別途かかるという構造になります。「工務店に頼むよりは費用が増えるが、設計事務所に単独で頼むよりは総額を抑えやすい」という位置づけとなります。
③費用の目安だけでは語れない、もう一つの視点
ここで一点、正直にお伝えしておきたいことがあります。
建築家と建てる家を選ばれるご夫婦の多くは、デザインや空間の個性を大切にしたいと思っていらっしゃいます。そうなると、使う素材や設備のグレードも自然と変わってくることがあります。特注の建具、こだわりの無垢材、海外製のタイルや照明器具——こうした選択のひとつひとつが、工事費そのものを動かしていきます。
つまり、設計料だけが費用の差ではなく、建築家と建てる家は「デザインの意図を活かすための選択」が積み重なることで、トータルの費用が変わってくるという点も、事前に理解しておいていただきたいことです。
もちろん、予算に応じたコスト調整は設計の段階から行うことができます。woodplusでは、建築家との連携案件でも施工コストを熟知した目線で総額の見通しを持ちながら進めるため、「気づいたら大きく予算オーバーしていた」という事態を防ぎやすい体制を整えています。

※設計料の相場は依頼する事務所・案件内容によって大きく異なります。本記事に掲載している目安はあくまで一般的な参考値です。実際の費用は個別にご確認ください。
建築家と建てることの具体的なメリット
建築家と建てる家には、次のような特長があります。
▶ 「意匠を突き詰める」ことに特化した設計
まず、誤解のないようにお伝えしておきたいことがあります。
woodplusの設計も、規格や型にはまったものではなく、ご家族のライフスタイル・土地条件・希望を一から丁寧に聞き取り、オーダーメイドで組み立てるフルオーダーの注文設計です。
建築家ならではの強みは「自由度の有無」ではなく、「意匠(空間の美しさや個性)を突き詰めることに特化した視点」にあります。
施工も担う工務店の設計は、どうしても「実現しやすい形」「コストが組みやすい納まり」「メンテナンスのしやすさ」といった現実的な条件を意識しながら設計を進めます。これは暮らしやすい家づくりには欠かせない視点ですが、その分、純粋に「空間としての美しさ」を最優先にした設計とは、少しアプローチが変わってきます。
一方、施工を担わない建築家は、施工コストや工法の制約から一歩引いた立場で設計に向き合えます。光の入り方、天井の高さと圧迫感のバランス、窓の形と外の景色の切り取り方——こうした「空間体験としての質」を、設計のゴールとして最優先に追いかけることができます。
「住んでいて、ふとした瞬間に『この家が好きだ』と感じる」——その感覚は、意匠を突き詰めた設計の積み重ねから生まれることが多いものです。どこまでデザインの個性を追求したいかによって、建築家との家づくりが向いているかどうかが変わってきます。

▶ 設計と施工を分けることで、独立した目で工事を確認できる
建築家が設計と施工を分けて担当する場合、工事中の現場に設計者が独立した立場で確認に入ります。これは、設計通りに工事が行われているかを第三者的な目でチェックする仕組みとも言えます。
施工会社との利害が一致していないからこそ、お施主さまの立場から工事の中身を確認できる点は、建築家ならではの強みのひとつです。

建築家と建てることのデメリット
メリットだけでなく、実際に起こりやすい課題についても、率直にお伝えします。そして、woodplusがそれぞれの課題にどう向き合っているかも、あわせてお伝えします。
設計事務所でのキャリアも持つ私だからこそ、「建築家と建てることの良さ」と同じくらい、「どこに落とし穴があるか」もよく知っています。それを正直に書くことが、読んでくださる皆さんにとって一番役に立つと思っています。
▶ デメリット①「費用が増えやすく、総額の見通しが立てにくい」
設計料が工事費とは別にかかるため、総費用は工務店への一括依頼と比べて高くなる傾向があります。また、建築家への依頼では、まず設計を進めてから工事費の見積りを取る流れになることが多く、「設計が進んでみたら予算をオーバーしてしまった」というケースが生じることもあります。
工務店の場合は、プランと見積りが揃ってから契約を結ぶ流れが一般的ですが、設計事務所の場合は設計段階で業務委託契約を先に結ぶことも多いため、費用の全体像が見えにくい場面があります
woodplusでは、建築家との連携案件の場合でも、設計着手前に予算の上限を共有し、費用の見通しを持ちながら設計を進める体制を整えています。
大工出身の代表が施工コストを熟知しているからこそ、「この設計では予算がどう動くか」を設計段階から的確に把握できます。設計の自由度を保ちながら、総額のバランスを整えていくことが可能です。「建築家の設計で建てたいけれど、費用の見通しが不安」という方は、まずご相談ください。

▶ デメリット②「工期が長くなりやすく、窓口が複雑になる」
建築家との設計は、細かな要望を丁寧に詰めていく分、打ち合わせの回数が増えやすく、設計期間が長くなりがちです。設計事務所に依頼する場合、設計から引き渡しまでおよそ1〜1年半程度かかるのが一般的とされています(案件や規模によってはさらに長くなる場合もあります)。
さらに、設計事務所と施工会社が別になることで、連絡の窓口が複数に分かれ、スケジュール管理が複雑になることもあります。お子さまの入学や転校、賃貸の契約期間など、入居に合わせた節目がある場合は、早めに動き始めることが重要です。
woodplusでは、建築家との連携案件においても、お施主さまとの打ち合わせ窓口をwoodplusに一本化する体制を整えています。設計担当と施工担当のやりとりをwoodplusが間に入って調整することで、お施主さまが複数の窓口に連絡する手間を省けます。進捗管理と施工管理もwoodplusが担うことで、スムーズに進めやすくなります。

▶ デメリット③「建築家との相性が家づくりの仕上がりに大きく影響する」
建築家との家づくりは、担当する建築家の考え方や表現スタイルによって、仕上がりに個性が出やすい側面があります。相性が合えば大きな満足につながりますが、方向性がかみ合わないまま進んでしまうと、修正に時間や費用がかかることもあります。
また、設計事務所によっては、施工会社の選定や品質管理の仕組みが会社ごとに異なります。「誰が設計するか」だけでなく、「誰が施工するか」「品質をどう管理するか」も、同じくらい重要な視点です。
この課題に対して、woodplusは長年かけて信頼できるパートナーを選んできました。現在woodplusが連携している外部の建築家は、岡山県に拠点を置く株式会社建房です。建房は、デザイン性の高さと住宅性能(高気密・高断熱・耐震等級3)へのこだわりを両立させた設計で知られ、設計・施工両面での実績を積み重ねてきた設計事務所です。数多くの建築家・設計事務所を見てきた中で、woodplusが信頼できると判断した、選び抜いたパートナーです。
さらに、woodplusが施工を担当する場合は、自社基準の施工チェックリストと、第三者検査機関による工程検査、施工記録の保管まで、品質管理の仕組みは全棟共通です。建築家のデザインを高い施工精度で実現するための体制は、woodplusが責任を持って整えます。

あなたはどちら向き?
「どちらが良い家か」という問いに一般的な答えはありません。大切なのは「自分たちの家づくりに何が必要か」を整理することです。
▶ 建築家との家づくりが向いている方
• こだわりを持ったデザインや空間づくりを最優先にしたい
• 土地の条件が複雑で、特別な設計の工夫が必要な敷地である
• 設計料込みで総予算に一定の余裕をもって計画できる
• 設計・打ち合わせに時間をかけることをいとわない
• 「自分たちだけの家」を強く望んでいる

▶ woodplusの社内設計が向いている方
• 高い住宅性能(断熱・耐震・気密)と暮らしやすさを両立したい
• 設計から施工・アフターまで、窓口をひとつにまとめたい
• 限られた予算の中でコストのバランスを最適化したい
• 打ち合わせ回数を無制限で、納得するまで丁寧に進めたい
• 自然素材や造作家具など、素材・内装にもこだわりたい
• 完成後の保証・メンテナンスまで一貫して任せたい
woodplusの設計は、社内担当が中心となり、ライフスタイルに合わせた動線設計・可変型プラン・自然素材の活用など、実生活に根ざした家づくりを得意としています。同時に、外部の建築家との連携にも対応しており、状況に応じてフレキシブルな体制をご提案できます。
▶ 「設計事務所の経験×大工の目線」
woodplusには、設計事務所出身という背景があります。だからこそ、「建築家が何を大切にして設計しているか」が分かります。そして、大工として現場を経験してきたからこそ、「その設計を施工でどう再現するか」も熟知しています。
この両方の視点があることで、woodplusは建築家の設計意図を正確に汲み取り、施工の現場で最大限に活かすことができます。また、コスト管理の面でも、設計と施工のどちらにお金がかかりやすいかを熟知しているため、「どこにこだわりを持ち、どこをシンプルにまとめるか」という整理が的確にできます。
「建築家に頼みたいけど、費用の見通しに自信がない」
「工務店の安心感は大切にしながら、デザインにもこだわりたい」
——そんなお気持ちをお持ちであれば、まずはお気軽にご相談ください。どちらの方向性でも、誠実に向き合います。

本記事のまとめ
建築家と建てる家は、設計の自由度・デザイン性・個性という面で大きな強みを持っています。
一方で、費用の見通しの難しさ・工期の長さ・窓口の複雑さといった課題も、実際の家づくりでは起こりやすい場面です。
woodplusでは、設計事務所での経験と大工としての現場感覚、両方を持つ代表が、その課題のひとつひとつに具体的な解決策をもって対応します。信頼できる建築家パートナー(株式会社建房)との連携、コスト管理を前提とした設計の進め方、窓口を一本化したスムーズなプロジェクト管理——これらがwoodplusの家づくりの強みです。
「まだ何も決まっていない」という段階からでも、ご家族の優先順位を一緒に整理するところから始められます。社内設計でも、建築家との連携でも、どちらも全力で対応します。
気になることがあれば、お気軽にお声がけください。
woodplusの施工エリアについて
woodplusでは、高槻市を中心に、島本町・茨木市・枚方市・摂津市・守口市・寝屋川市・吹田市・箕面市・豊中市などのエリアで家づくりのご相談を承っています。
おおむね事務所から車で1時間圏内を主な施工エリアとしております。
エリアについてご不明な点は、お気軽にお問い合わせください。
引用元・参照元
• 国土交通省「建築士事務所の業務に関して請求することのできる報酬の基準(令和6年国土交通省告示第8号)」
https://www.mlit.go.jp/jutakukentiku/build/jutakukentiku_house_tk_000082.html
• フリーダムな暮らし「注文住宅の設計料とは?依頼先別の相場とトラブルを避けるための注意点」(2026年3月19日最終更新)
https://freedom.co.jp/kurashi/%E6%B3%A8%E6%96%87%E4%BD%8F%E5%AE%85/%E8%A8%AD%E8%A8%88%E6%96%99%E3%81%AF%E3%81%A9%E3%81%86%E6%B1%BA%E3%81%BE%E3%82%8B%EF%BC%9F%E4%BE%9D%E9%A0%BC%E5%85%88%E5%88%A5%E3%83%81%E3%82%A7%E3%83%83%E3%82%AF%E6%96%B9%E6%B3%95/
• カグポンメディア「設計料の相場と計算方法|住宅・店舗・オフィス別に知る設計予算の目安」
https://www.kagupon.com/media/design_fee_estimates_by_type/
• ザ・ハウス「建築家との家づくり」
https://thehouse-a.jp/architects-house/01.php
• 設計事務所とは?建築家に家づくりを依頼すると何が違うのか(山川建築設計室)
https://www.yamakawa-design.co.jp/YDJournal/design-office/
• まるわかり注文住宅「建築家と建てる場合のスケジュール」
https://chumon-jutaku.jp/knowledge/contractor/4-2/2775/
※本記事は2026年6月時点の情報をもとに作成しています。設計料の相場・制度・補助内容などは変更される場合があります。最新情報は各機関や依頼先に直接ご確認ください。
よくある質問<FAQ>
Q1. woodplusで建築家と建てる家を頼んだ場合、設計料はどうなりますか?
建築家(株式会社建房)との連携案件の場合、設計監理料は通常の建築家への依頼と同様に発生します。一般的な目安として工事費の10〜15%程度が多いとされていますが、案件内容によって変わります。woodplusでは設計着手前に予算の全体像を共有し、費用の見通しを持ちながら進める体制を整えていますので、まずご相談ください。
Q2. woodplusの社内設計と、建築家との連携、どちらを選べば良いですか?
「デザインにとことんこだわりたい」「空間の個性を最優先にしたい」という方には建築家との連携が向いている場合があります。「性能・コスト・アフターケアを総合的に整えたい」「窓口を一本化してシンプルに進めたい」という方には社内設計がフィットしやすいです。どちらが向いているかは個別のご事情によりますので、まずはご相談のうえ一緒に整理しましょう。
Q3. 建築家との家づくりは工期が長くなると聞きましたが、どのくらいかかりますか?
設計事務所に依頼する場合、設計から引き渡しまでおよそ1〜1年半程度かかるのが一般的とされています。案件の規模や内容によってはさらに長くなる場合もあります。woodplusでは進捗管理をwoodplusが担うことで、スムーズに進めやすい体制を整えています。お子さまの入学など入居のタイミングが決まっている場合は、早めにご相談ください。
Q4. 建築家と工務店が別々になると、品質管理が不安です。
設計者と施工者が別々になることで、管理が複雑になるリスクはゼロではありません。ただし、woodplusでは建築家との連携案件でも、自社基準の施工チェックリストと第三者検査機関によるダブルチェック体制を全棟で維持しています。品質管理の仕組みは社内設計・建築家連携にかかわらず同一です。
Q5. woodplusが建房と提携している理由を教えてください。
woodplusの武下は、設計事務所でのキャリアを持つ経験から、数多くの建築家・設計事務所を見てきました。その中で建房は、デザイン性の高さだけでなく、高気密・高断熱・耐震等級3といった住宅性能へのこだわり、そして施工の質に対する誠実な姿勢において、信頼できると判断したパートナーです。「デザインと性能のどちらも諦めない」というwoodplusのコンセプトと方向性が一致しています。
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