【値上げの前に知りたい!】
エアコンの2027年問題とは?新築なら知っておきたい容量の選び方
2026.08.10
こんにちは。
高槻市を中心に注文住宅やリノベーションを手掛ける工務店、woodplus代表の武下です。
これから新築や住み替えをご検討されているご夫婦の間で、最近急速に関心が高まっているのが「エアコンの2027年問題」です。ニュースやSNSで目にして、「2027年4月から省エネ基準が変わるらしいけれど、具体的に何が変わるの?」「今の賃貸暮らしにも関係があるの?」「新築の計画中だけど、エアコン選びで失敗したくない」と、疑問や戸惑いを感じている方も多いのではないでしょうか。
今回の基準引き上げは、単に機器の性能が良くなるという話だけではなく、お手頃なモデルの流通量や価格帯、購入時期の判断、そして新築住宅での機器選びにまで幅広く影響してきます。
そこで今回は、2026年8月時点の最新動向を踏まえて、制度の仕組みをやさしく紐解いていきます。そのうえで、賃貸と戸建てそれぞれの視点から見た注意点や、新築時に特に見落とされがちな「容量(畳数)選び」の落とし穴について整理しました。
後悔のない快適な住まいづくりのヒントとして、ぜひ参考にしてみてください。

エアコンの「2027年問題」とは何か? まず制度の中身を正しく知りましょう
まず知っておきたいのは、2027年4月から、エアコンの省エネ基準が引き上げられるということです。これにより、基準を満たしにくい低価格帯モデルが市場から少しずつ姿を消していく可能性がある、というのがこの問題の本質です。
ただし「今使っているエアコンが2027年4月から使えなくなる」というものではありませんので、まずは落ち着いて内容を整理していきましょう。
▶ 2027年4月に何が変わるのか
この基準の引き上げは、経済産業省・資源エネルギー庁が運用する「トップランナー制度」にもとづくものです。トップランナー制度とは、市場にある製品の中でもっとも省エネ性能が優れたものを基準にして、数年後の目標値を定める仕組みで、これまでも家電製品全体の省エネ性能を底上げしてきました。今回はこの仕組みにもとづき、2027年度から新しい基準(2027年度基準)が適用されます。
資源エネルギー庁の試算によると、たとえば普及帯である6畳用エアコン(2.2kW機)では、現行の2010年度基準(APF5.8)から2027年度基準(APF6.6)へと、省エネ性能を示すAPF(通年エネルギー消費効率)の目標値が引き上げられるとされています。区分(畳数や出力帯)によって目標値は異なり、他の区分についても同様に基準が見直される見込みです。決して小さな引き上げ幅ではなく、業界内でも注目度の高いテーマとなっています。

▶ 「今のエアコンが使えなくなる」は誤解です
一方で、誤解されやすいポイントもあります。資源エネルギー庁の案内によれば、トップランナー制度はメーカーなど製造事業者に適用される制度であり、ご家庭で現在お使いのエアコンをすぐに買い替える必要はなく、引き続き使用できるとされています。
また、2027年度以降に基準値を満たさない製品の製造・出荷そのものが一律に禁止されるわけではなく、メーカーが年度ごとに出荷する製品全体の加重平均で基準を満たすことが求められる仕組みとされています。すでに設置済みのエアコンの修理についても、メーカーごとに定められた部品保有期間(目安として約10年間とされることが一般的です)の間は対応可能とされていますので、過度に不安になる必要はなさそうです。

▶ なぜ価格上昇が懸念されているのか
とはいえ、制度上は平均値での評価であっても、大幅な基準引き上げのため、基準を大きく下回る低価格帯モデルについては、2027年4月以降、実質的に新規の製造・出荷を継続しづらくなるのではないかという見方が、一部の専門メディアなどで示されています。その結果、低価格帯モデルの流通が減り、駆け込み需要と重なって、エアコン全体の価格がやや上昇する可能性があるとされています。
資源エネルギー庁も、エアコンの販売価格は省エネ性能だけでなく、需要と供給のバランスや部材価格、メーカーの戦略など、さまざまな要因で決まるものだと説明しています。どの程度価格が変動するかは現時点で断定的なことは言えませんが、「本体価格だけでなく、長期的な光熱費まで含めて比較する」という視点は、これからのエアコン選びで大切になりそうです。
なお、エアコンの価格や流通状況、補助金制度の有無などは、今後の各メーカーの動向や行政の発表によって変わる可能性があります。エアコンの購入や交換を検討される際は、最新の情報をメーカー公式サイトや資源エネルギー庁の案内などでご確認いただくと安心です。

賃貸にお住まいの方も、戸建てにお住まいの方も、知っておきたい影響の違い
こうした制度の影響は、住まいの状況によって受け止め方が変わってきます。
▶ 賃貸にお住まいの場合
賃貸にお住まいの方の場合、エアコンの設置や交換は基本的に貸主側の判断によるものが多く、ご自身で急いで動く必要は少ないケースが一般的です。ただし、故障などで設備が交換される時期に新基準対応モデルへと入れ替わる可能性はありますので、「そういう背景があるのだ」と知っておくだけでも安心材料になるかと思います。

▶ 戸建て・買い替えを検討している場合
戸建てにお住まいで、ご自身の判断でエアコンを買い替える場合は、少し状況が異なります。「値上がりする前に急いで買い替えなければ」と焦る必要はありませんが、もともと交換を検討していた時期が近い場合は、価格や在庫の動きを見ながら計画的に進めるとよいでしょう。
逆に、まだ十分使える設備を無理に交換する必要はなく、ご家庭の状況に合わせた判断が基本になります。
▶ これから新築を考えている場合
そして、これから新築をお考えのご夫婦にとっては、単なる「エアコン本体の価格動向」以上に大切な視点があります。それが、次にお伝えする「容量選び」の考え方です。新築の場合、エアコンは間取りと合わせて計画する設備であり、価格の動きだけでなく、選び方そのものを見直す良いタイミングとも言えます。

制度の影響を整理すると、次のように住まいの状況によって受け止め方が異なります。
- ・ 賃貸にお住まいの方:設置・交換の判断は貸主側が中心となるため、急いで動く必要は少ない
- ・ 戸建てで買い替えを検討中の方:焦って前倒しする必要はないが、時期が近ければ計画的に情報収集を
- ・ 新築を検討中の方:本体価格の動向以上に、容量・設置計画の見直しが重要になる
▶ エアコンの「容量」選びで失敗しないために知っておきたい考え方
エアコンは「大きければ安心」でも「部屋の畳数だけで選べば良い」でもありません。建物の断熱性能や日当たり、部屋の形状などを踏まえて選ぶことが大切です。
▶ 「畳数」だけで選ぶとよくある失敗
エアコン選びでよくある失敗のひとつが、「畳数」だけを基準に選んでしまうケースです。家電量販店などで見かける「6畳用」「10畳用」といった表示は、あくまで一定の条件(断熱性能や日当たりなど標準的な想定)のもとでの目安にすぎません。
実際には、断熱性能や気密性能、窓の大きさや方角、天井の高さ、隣接する部屋とのつながり方によって、同じ畳数の部屋でも必要な能力は変わってきます。とくに吹き抜けやリビング階段のある空間、大きな窓のある南向きの部屋などは、畳数表示どおりに選ぶと能力が不足したり、逆に過剰になったりすることがあります。

▶ 「大は小を兼ねる」は本当か
また、「容量は大きいほど安心」と考える方も少なくありませんが、これも注意が必要な考え方です。必要以上に能力の大きいエアコンを選ぶと、短時間で設定温度に達してしまい、こまめにオンオフを繰り返す動き方になりやすく、除湿がうまく働かずに湿度が安定しにくいことがあります。結果として、電気代がかさみやすくなったり、体感的な快適さが下がったりすることもあるようです。
エアコンは「大は小を兼ねる」とは言い切れない設備であるということを、知っておいていただきたいと思います。
▶ 容量選びには建物の断熱・気密性能も関係する
では、どのように容量を判断すればよいのでしょうか。
ポイントは、「畳数」ではなく「熱負荷計算」という考え方にもとづいて選ぶことです。熱負荷計算とは、断熱性能・気密性能・窓の面積や方角・天井高・部屋の用途や人の使い方などを踏まえて、その部屋に本当に必要な冷暖房能力を算出する考え方です。
同じ広さの部屋でも、性能の高い住まいであれば必要な能力は小さくて済むこともありますし、逆に開口部の大きい部屋では能力に余裕を持たせたほうがよい場合もあります。パッケージの畳数表示だけに頼らず、住まいの性能とセットで考えることが、失敗を防ぐ第一歩になります。

容量選びについても、誤解しやすいポイントを整理してみます。
- ・ 「畳数の表示どおりに選べばよい」→実際には断熱性能・窓の大きさや方角・天井高などで必要な能力が変わる
- ・ 「容量は大きいほど安心」→過剰な能力は運転が不安定になりやすく、除湿効果が下がる場合がある
- ・ 「部屋ごとに単純に能力を積み上げればよい」→住まい全体の断熱・気密性能を踏まえた熱負荷計算が基本になる
エアコンの容量は、部屋の広さだけでなく、住まい全体の性能とセットで考えるべきものです。この視点を持っておくだけでも、新築時の設備選びで迷いにくくなるかと思います。
新築で後悔しないために 間取り設計の段階からエアコンを計画する考え方
エアコンは「建ててから考える設備」ではなく、間取り設計の段階から一緒に計画することで、後悔を防ぎやすくなります。
▶ 設置場所や配管計画を、間取りと同時に検討する理由
設置場所やエアコン配管のルートをあとから決めようとすると、配管が長く延びてしまったり、目立つ場所に室外機や配管が来てしまったりすることがあります。また、必要な場所にコンセントや専用回路が用意されていないといった見落としも起こりやすいポイントです。間取りの段階で家具の配置や窓の位置とあわせて検討しておくことで、こうした後悔を防ぎやすくなります。

▶ woodplusが行っている容量提案の考え方
woodplusでは、間取りをご提案する段階から、各お部屋の断熱性能や日当たり、窓の配置などを踏まえて、どのようなエアコンをどの容量で取り入れていただくとよいか、あわせてアドバイスをさせていただいております。全棟で断熱・気密性能の数値を確認していることもあり、感覚だけに頼らず、住まいの性能を踏まえた容量のご提案を心がけています。
設計担当者との打ち合わせでは、「このお部屋は南向きで日射が入りやすいので、少し余裕を持たせた容量にしましょう」「こちらは断熱性能が高いお部屋なので、標準的な畳数表示より小さめの容量でも快適に過ごせそうです」といったように、お部屋ごとの条件をひとつずつ確認しながら進めています。
こうした積み重ねが、引き渡し後の「思ったより効きが悪い」「電気代が想定より高い」といった後悔を防ぐことにつながると考えています。
▶ 打ち合わせの中でご夫婦に確認いただきたいこと
また、打ち合わせの中では、日中の在宅時間帯やご家族構成の変化なども伺いながら、無理のない冷暖房計画をご夫婦と一緒に整理していきます。将来的にお子さまが増えたり、在宅ワークが増えたりといった暮らしの変化も踏まえて計画しておくと、長く使いやすい設備選びにつながります。

この記事のまとめ
ここまでの内容を整理します。
2027年4月からエアコンの省エネ基準が引き上げられることで、低価格帯モデルの流通が減り、価格がやや上昇する可能性があるとされていますが、今お使いのエアコンがすぐに使えなくなるわけではありません。
そのうえで、これから新築を考える方にとって本当に大切なのは、価格の動向以上に「容量の選び方」だということをお伝えしてきました。
- ・ 2027年4月からエアコンの省エネ基準が引き上げられ、価格上昇が懸念されている
- ・ 現在使用中のエアコンをすぐに買い替える必要はない
- ・ 賃貸か戸建てか、買い替えか新築かによって受け止め方は変わる
- ・ 「畳数」だけでなく、断熱性能を踏まえた熱負荷計算で容量を判断することが大切
- ・ 新築では、間取り設計の段階からエアコンの設置・容量計画を進めるとよい
エアコンは、内閣府の調査でも平均14年程度使われるとされる設備です。目先の価格だけでなく、住まいの性能とあわせてじっくり考えていただければと思います。
※本記事には、内容理解を助ける目的で一部AI生成画像を使用しています。
※本記事は執筆時点の情報です。制度や金利、補助内容などは変更される場合があります。
引用元・参照元
1.エネルギー庁「27年4月からエアコンの新たな省エネ基準がスタート!エアコンについて知っておくべきポイントは?」(エネこれ)
https://www.enecho.meti.go.jp/about/special/johoteikyo/air_conditioner_2026.html
※制度の詳細や最新の適用状況、区分ごとの基準値については、上記資源エネルギー庁の案内、または各エアコンメーカーの公式サイトにて最新情報をご確認ください。
よくある質問<FAQ>
Q1. 2027年4月になったら、今使っているエアコンは使えなくなりますか?
A. ご安心ください。2027年4月からの新基準は、エアコンを製造・出荷するメーカー側に適用される制度です。ご家庭で現在お使いのエアコンを、これを機に買い替える必要はなく、引き続きお使いいただけるとされています。
Q2. エアコンの価格は、どのくらい上がる可能性がありますか?
A. どの程度価格が変動するかは、需要と供給のバランスや部材価格、メーカーの戦略など複数の要因によって変わるため、現時点で明確にお伝えすることは難しいのが正直なところです。ただ、低価格帯モデルの選択肢が減り、全体的にやや価格が上がる可能性があるとは言われています。本体価格だけでなく、長期的な光熱費もあわせて比較していただくと、納得感のある選択につながるかと思います。
Q3. エアコンは畳数どおりに選べば失敗しませんか?
A. 畳数表示は、あくまで一定の条件下での目安です。断熱性能や窓の大きさ、方角などによって、同じ畳数でも必要な能力は変わってきますので、畳数だけで判断せず、住まいの性能とあわせて考えていただくと安心です。
Q4. エアコンの容量は、大きめを選んでおけば安心ですか?
A. 「大きいほど安心」とは言い切れません。必要以上に大きな容量のエアコンは、運転が不安定になりやすく、除湿がうまく働かないこともあります。多くの場合、住まいの性能に見合った適正な容量を選んでいただくほうが、快適さと電気代の両面で満足いただきやすいようです。
Q5. 新築のとき、エアコンについてはいつ頃から相談すればよいですか?
A. 間取りの検討が始まる早い段階でご相談いただくのがおすすめです。設置場所や配管ルート、容量の考え方は、間取りと切り離せない部分も多いため、打ち合わせの初期段階から少しずつ整理していくと、後々の後悔を防ぎやすくなります。
woodplus の施工エリアについて
弊社では、高槻市を中心に、島本町、茨木市、枚方市、摂津市、守口市、寝屋川市、吹田市、箕面市、豊中市、交野市など、事務所から車で1時間圏内のエリアで、家づくりのご相談を承っています。
施工可能エリアの詳細は、お気軽にお問い合わせください。
ご相談・お問い合わせについて
エアコンの容量や設置計画は、間取りの検討と切り離せないテーマです。
「まだ何も決まっていないけれど、そろそろ情報を集めておきたい」という段階でも大丈夫です。
woodplusでは、家づくり勉強会や個別相談の場で、断熱性能や間取りの考え方とあわせて、こうした設備選びのポイントについてもご案内しています。
気になる点がございましたら、どうぞお気軽にご相談ください。

