【28℃は罠だった?】
設定温度と室温の違いを知らないと電気代で損をする理由とは?
2026.07.20
いつも弊社のブログを閲覧いただき、誠にありがとうございます。
高槻市の工務店、woodplus代表の武下です。
夏本番を迎えると、気になるのが「エアコンの電気代」ではないでしょうか。
「つけっぱなしと、こまめに消すのはどちらが得なの?」「設定温度は何度がいいの?」——こうした疑問は、賃貸にお住まいの方も、戸建てにお住まいの方も、高気密・高断熱の住宅にお住まいの方も、共通して抱えているものだと思います。
私たちは長年、住まいの性能やご家族の暮らし方に向き合ってきましたが、「エアコンの使い方ひとつで、暮らしの快適さも電気代も変わる」という実感を多くのお客様から伺います。特に子育て世帯にとっては、体調管理の面からもエアコンとの付き合い方は身近なテーマではないでしょうか。
この記事では、環境省やダイキン工業といった公的機関・メーカーの公表情報をもとに、どなたにも役立つエアコンの使い方をわかりやすく整理しました。今すでに賃貸や戸建てにお住まいの方は日々の暮らしにそのまま取り入れていただき、これから家づくりを考えている方は、住まいの性能とエアコンの関係を知る参考にしていただければと思います。後半では、高性能住宅だからこそ実感しやすい「エアコンとの付き合い方」もご紹介します。

設定温度と室温、実は違うものだった
夏の目安としてよく耳にする「28℃」。これは環境省が2005年から呼びかけている「クールビズ」の目安ですが、実はこの28℃は、エアコンの設定温度ではなく「室温」を指しています。
つまり、エアコンの設定温度を28℃にしたからといって、部屋の温度(室温)が必ず28℃になるとは限りません。日当たりや部屋の断熱性能、外気温、湿度、さらにはエアコンの設置位置やセンサーの感知の仕方によっても、同じ設定温度で体感は大きく変わってきます。
もし設定温度を28℃にしても暑さを感じる場合は、我慢せず、室温計をお部屋に置いて実際の温度を確認しながら、快適に過ごせる設定に調整することが大切です。環境省も、冷やしすぎない適正な室温管理を呼びかけており、無理のない範囲での工夫を推奨しています。

ちなみに「28℃」という数字は、上着やネクタイなどの軽装によって体感温度が下がる効果を踏まえて設定されたものとされています。服装を軽くするだけでも体感温度を調整できるという考え方は、ご家庭でも取り入れやすい工夫のひとつです。
また、体感温度には湿度も大きく関わっています。同じ気温でも、湿度が高いとより暑く感じ、低いと涼しく感じやすくなります。設定温度だけにこだわらず、湿度もあわせて意識することで、無理なく快適さを保ちやすくなります。

なお、エアコンの設定温度を1℃調整すると、消費電力は冷房で約13%、暖房で約10%程度変わるとされています。設定温度を下げすぎず、少し高めの設定でも快適に過ごせる工夫を組み合わせることが、節電の第一歩になります。体感温度は人によって感じ方が異なるため、ご家族で心地よいと思える範囲を、少しずつ探ってみるのもよいでしょう。
「つけっぱなし」と「こまめに消す」、どちらがいいのか
これも多くの方が気になるテーマだと思います。ダイキン工業が行った検証実験によると、答えは「時間帯や外出時間、住まいの条件によって変わる」というのが実際のところです。
エアコンが電力を多く使うのは、スイッチを入れた直後、つまり設定温度に到達するまでの立ち上がりの時間です。長距離を走るとき、スタート直後にペースをつかむまでは体力を多く使うのと似たイメージで、エアコンも運転を始めた直後にもっとも力を使い、設定温度を保っている間は少ない電力で運転できます。
同社の実験では、日中の気温が高い時間帯に短時間(30分程度)の外出をする場合、こまめにスイッチを切るよりも「つけっぱなし」にしておいたほうが、消費電力を抑えられたという結果が出ています。これは、外気温と設定温度の差が大きい時間帯ほど、スイッチを入れ直すたびに多くの電力を使ってしまうためです。
一方で、外気温が下がる夜間や、外出時間がそれよりも長くなる場合は、こまめに消したほうが電気代を抑えられる場合があるともされています。

たとえば、夏は外気温35℃前後に対して設定温度を27℃程度にすることが多く、その差はおよそ8℃です。これに対して冬は、外気温7℃前後に対して設定温度を20℃程度にすることが多く、差はおよそ13℃にまで広がります。この温度差が大きいほどエアコンの立ち上がり時の負荷が大きくなるため、一般的に冬の暖房のほうが夏の冷房よりも電気代がかかりやすいといわれています。季節によって「つけっぱなし」と「こまめに消す」の効果が変わってくるのは、こうした温度差の違いも関係しています。
ただし、これらの目安はあくまで特定の建物・条件下での検証結果であり、住まいの断熱性能や気密性能、季節、時間帯、天候によって結果は変わります。ご自宅の状況にそのまま当てはめるのではなく、参考の一つとして捉えていただくのがよいでしょう。
判断に迷ったときは、エアコンの「自動運転モード」に任せるのもひとつの方法です。設定温度に到達するまでは効率よく運転し、その後は消費電力の少ない運転に自動で切り替わるため、こまめな温度調整を人の手で繰り返すよりも効率的に使えることがあります。
なお、使用年数が長いエアコンは、年々性能が落ちていることがあります。フィルター掃除などの工夫をしても効きが悪いと感じる場合は、機種そのものの経年劣化が影響している可能性もあります。賃貸にお住まいの場合は、管理会社や大家さんに一度相談してみるのもよいでしょう。

賃貸でも今日からできる、エアコン効率アップの工夫
「賃貸だから、大がかりなことはできない」という方もご安心ください。以下は、賃貸住宅でも今日からすぐに実践できる工夫です。
まず取り入れやすいのが、フィルターのお掃除です。フィルターにホコリが詰まると、空気の通り道がふさがれ、部屋を冷やしたり暖めたりする力が弱まります。その結果、設定温度に到達するまでに時間がかかり、余計な電力を消費してしまいます。掃除機でホコリを吸い取るだけでも効果があり、汚れがひどい場合は、中性洗剤を薄めたぬるま湯で洗い、日陰でしっかり乾かしましょう。目安は2週間に1回程度です。特別な道具や工事は不要なので、賃貸にお住まいの方でも気軽に取り入れやすい習慣です。

室外機のまわりを整えることも大切です。吹き出し口の前に荷物や植木鉢が置かれていたり、直射日光が当たり続けていたりすると、熱をうまく外に逃がせず、エアコンの効率が落ちてしまいます。まわりに物を置かない、日よけを設置するといった工夫だけでも変化が期待できます。

また、サーキュレーターや扇風機を併用して空気を循環させることで、設定温度を下げすぎなくても涼しく感じやすくなります。冷たい空気は部屋の下側にたまりやすいため、壁や天井に向けて風を送り、部屋全体の温度ムラを減らすのもおすすめです。
体感温度は気温だけでなく湿度にも左右されるため、除湿(ドライ)機能を活用するのも効果的な方法のひとつです。窓からの日射熱も室温上昇の大きな要因のひとつなので、遮熱カーテンやレースカーテン、ブラインド、グリーンカーテンなどで日差しを和らげる工夫もあわせて取り入れてみてください。

このほか、室外機からのびる排水ホースにゴミや落ち葉が詰まっていないかを時々確認しておくと、水漏れなどのトラブル防止にもつながります。フィルター掃除とあわせて、季節の変わり目にひと通りチェックする習慣をつけておくと安心です。
高性能住宅だからこそ実感できる、エアコンとの付き合い方
ここからは、高気密・高断熱の住まいにお住まいの方、そしてこれから家づくりを検討されている方に向けたお話です。
一般的な住宅では、部屋を閉め切っていても、すきま風や窓・壁からの熱の出入りがあるため、エアコンを止めるとすぐに室温が変化してしまいます。これが、こまめに消すとかえって電気代がかさみやすくなる理由のひとつです。
一方で、気密性能(C値)や断熱性能(UA値)が高い住まいでは、一度快適な室温になると外気の影響を受けにくく、その状態を保ちやすいという特徴があります。つまり、エアコンの立ち上がりの回数そのものを減らせるため、少ない運転量でも快適さを維持しやすくなるのです。
woodplusの住まいでは、全棟で断熱性能【UA値0.46以下】、気密性能【C値0.5以下】を基準とし、すべての住宅で温熱計算・気密測定を実施しています。ご希望に応じて、UA値0.26相当まで性能を高めることも可能です。間取りや窓の配置によっては、こうした性能の住まいで、1台のエアコンでも家全体を心地よく保ちやすくなる場合があります。

あわせて重要なのが、24時間換気システムとの組み合わせです。高気密な住まいほど、計画的な換気による空気の流れがエアコンの効きにも影響します。性能・換気・間取りを一体で設計することで、「エアコンを頑張って使う暮らし」から、「エアコンにあまり意識を向けなくていい暮らし」へと少しずつ変わっていきます。
woodplusでは、ZEHやHEAT20、BELS、長期優良住宅といった省エネ・性能に関する基準にも対応した住まいづくりを行っています。さらに太陽光発電も積極的に採用しており、蓄電池についてはご家族の暮らし方に合わせてご提案しています。こうした取り組みは、目先の見た目や価格だけでなく、住み始めてからの毎日の心地よさと、長い目で見た光熱費の負担を、あわせて大切にしたいという考えから行っているものです。

この記事のまとめ
• 環境省の「28℃」は室温の目安であり、エアコンの設定温度そのものではありません。設定温度と体感には湿度も関わってきます。
• 「つけっぱなし」と「こまめに消す」は、外出時間や住まいの条件によって使い分けるのが実際的です。判断に迷ったときは自動運転モードに任せるのもひとつの方法です。
• フィルター掃除や室外機まわりの整理は、賃貸でも今日からできる基本のメンテナンスです。
• 気密性能・断熱性能が高い住まいは、エアコンの立ち上がり回数そのものを減らせるため、少ない運転でも快適さを保ちやすくなります。
エアコンは「使い方」だけでなく、「住まいの性能」によっても効率が変わってきます。今のお住まいでできる工夫を続けながら、将来的に家づくりを考える際は、断熱・気密性能にもぜひ目を向けてみてください。日々の小さな工夫の積み重ねが、電気代の負担を抑えるだけでなく、ご家族が心地よく過ごせる時間を増やすことにもつながります。
※本記事の内容は、2026年7月時点で確認できる環境省・ダイキン工業の公表情報をもとに作成しています。省エネ基準や推奨室温、実験条件などは今後見直される可能性があるため、最新情報は各公式サイトでご確認ください。
引用元・参照元
• 環境省「クールビズ」「COOL CHOICE」公式サイト(適正な室温28℃の考え方について)
• ダイキン工業株式会社「空気とくらし」(つけっぱなし実験、節電情報、エアコンのしくみについて)
よくある質問<FAQ>
Q1. エアコンの設定温度は何度にすればいいですか?
A.環境省が呼びかける「28℃」は、エアコンの設定温度ではなく「室温」の目安とされています。設定温度を28℃にしても室温が下がりきらない場合は、我慢せず室温計で確認しながら調整することをおすすめします。
Q2. 外出するときはエアコンをつけっぱなしにすべきですか?
A.ダイキン工業の検証では、日中の短時間(30分程度)の外出はつけっぱなしのほうが消費電力を抑えられる傾向があるとされています。ただし住まいの性能や季節、外出時間によって結果は変わるため、あくまで一つの目安として捉えていただくのがよいでしょう。
Q3. 賃貸でも今日からできる節電方法はありますか?
A.フィルター掃除(2週間に1回程度)、室外機まわりの整理、サーキュレーターの併用、遮熱カーテンの活用などは、賃貸住宅でもすぐに取り入れられる工夫です。
Q4. 高性能住宅だとエアコンの使い方はどう変わりますか?
A.気密性能・断熱性能が高い住まいは、一度快適な室温になると外気の影響を受けにくいため、エアコンの立ち上がり回数そのものを減らしやすくなります。間取りや窓の配置によっては、1台で家全体を心地よく保ちやすくなる場合もあります。
Q5. 家づくりの相談はどこから始めればいいですか?
A.まずは「家づくり勉強会」や「完成見学会」への参加がおすすめです。予算・性能・間取りの基本を体系的に学べる場として活用いただけます。
woodplus の施工エリアについて
woodplusは、高槻市を中心に、島本町、茨木市、枚方市、摂津市、守口市、寝屋川市、吹田市、箕面市、豊中市、片野市など、事務所から車で1時間圏内のエリアを主な施工エリアとしています。
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