【設置後に後悔も】バルコニーは本当に必要か、ライフスタイルに合わせた選び方とは?
2026.07.09
こんにちは。高槻市の工務店、woodplus代表の武下良太です。
早速ですが、「ベランダやバルコニーは、本当に必要なのでしょうか。」
家づくりの打ち合わせの中で、こうしたご質問をよくいただきます。「とりあえずつけておいた方が安心かもしれない」と考える方もいれば、「洗濯物を干すためだけに、わざわざ大きなスペースを設ける必要があるのだろうか」と疑問に感じる方もいらっしゃいます。
実際には、ベランダ・バルコニーが必要かどうかは、ご家庭の暮らし方によって答えが変わってきます。「つけない」という選択を否定するものでも、「つける」ことを推奨するものでもなく、この記事では、つける場合とつけない場合、それぞれの特徴やよくある後悔の事例を整理しながら、ご夫婦にとって納得のいく判断をするための考え方をお伝えします。

ベランダ・バルコニーをつける主な理由とメリット
ベランダやバルコニーは、洗濯や趣味の用途だけでなく、住まい全体の快適性や暮らしの広がりを支える役割も持っています。まずは、設置することでどのような暮らしが実現できるのか、メリットの面から整理してみましょう。
▶ 洗濯物を干す場所として
家づくりのご相談の中で、最も多く挙がる理由が「洗濯物を干すため」です。屋外でしっかりと日光や風に当てて乾かしたいというご希望は、今でも根強くあります。特に布団やシーツ、タオルケットなど大きな洗濯物は、室内干しでは乾きにくいと感じる方も少なくありません。また、共働きのご家庭でも、休日にまとめて外干しをするスタイルを希望される方もいらっしゃいます。

▶ 屋外でくつろぐ・趣味のスペースとして
ベランダやバルコニーは、洗濯以外にも、家庭菜園やガーデニング、お子様の小さなプール遊び、休日にコーヒーを飲みながらくつろぐ時間など、屋外を楽しむスペースとしても活用されています。リビングと隣接させることで、室内と屋外がゆるやかにつながり、暮らしに広がりや開放感が生まれるという声も多くいただきます。マンションから戸建てへの住み替えを検討されている方の中には、「庭はまだ管理に自信がないけれど、屋外の空間は持ちたい」という理由でバルコニーを希望されるケースもあります。

▶ 採光・通風・防犯面での役割
設計の観点では、バルコニーを2階の窓まわりに設けることで、採光や通風を確保しやすくなる場合があります。また、間取りや法規との兼ね合いによっては、バルコニーが避難経路の一部として計画されることもあります。
なお、一般的には、外壁から突き出た奥行きがおおむね2m程度までの部分は、建築基準法上の床面積に算入されない取り扱いとされていますが、開放性の条件(手すりの高さなど)や自治体ごとの運用によって判断が異なる場合があります。容積率や建ぺい率にも関わる重要な部分ですので、計画段階で設計担当者に必ず確認しておくと安心です。
一口に「バルコニー」といっても、外壁から張り出す跳ね出しタイプ、1階の屋根の上を利用するタイプ、室内的に囲われたインナーバルコニーなど、いくつかの形があります。インナーバルコニーは、外からの視線や雨の吹き込みを抑えやすい一方で、その分の床面積が建物のコストに反映されやすいという特徴もあります。形状によって費用感や使い勝手が変わってきますので、「なんとなくバルコニー」ではなく、どのタイプが暮らしに合うかまで含めて検討することをおすすめしています。
また、ベランダ・バルコニーを設けない場合でも、外壁や軒の出を工夫することで、見た目のバランスや雨仕舞いに配慮した外観デザインに仕上げることも可能です。

高槻市をはじめとする弊社の施工エリアは、夏は気温が高くなりやすく、冬は底冷えを感じやすい内陸性の気候が特徴です。夏場は日差しや西日への配慮、冬場は洗濯物の乾きにくさへの対策など、地域の気候を踏まえてバルコニーの方位や軒の出を検討することも、快適に使い続けるためのポイントになります。
「もったいない」と感じやすいケース
一方で、実際の暮らしの中では、ベランダ・バルコニーが十分に活用されず、結果としてコストや掃除の手間だけが残ってしまうケースも見られます。ここからは、「もったいなかった」と感じやすい具体的な状況を見ていきます。
▶ 洗濯物を乾燥機・室内干しで済ませる場合
近年は、乾燥機付き洗濯機やランドリールームでの室内干しを基本とするご家庭が増えています。花粉や黄砂、PM2.5、近隣からの視線や防犯面への配慮から、そもそも外干しをしないというご家庭も珍しくありません。
私たちの相談の場でも、「外干しの予定はないけれど、なんとなく必要な気がして」という理由だけでバルコニーを希望されるケースに出会うことがあります。このような場合、洗濯のためだけに広いバルコニーを確保する必要性は、低くなる可能性があります。
実際にお引き渡し後しばらくしてから、「結局バルコニーは物置のようになってしまった」というお話をいただくこともあり、計画段階での確認の大切さを感じる場面のひとつです。

防犯面についても、あわせて考えておきたいポイントです。
2階のバルコニーは、足場になる物干しや室外機の配置によっては、侵入経路として利用されてしまうリスクが指摘されることがあります。対策としては、バルコニーに出入りしない隣接する小窓への面格子の設置、人感センサー付きの照明、バルコニーに面した窓への防犯ガラスの採用などを組み合わせることで、一定の安心感を高められます。
ただし、こうした対策にはそれぞれ費用がかかるため、予算とあわせて検討しておくとよいでしょう。

▶ 防水・メンテナンスの負担
見落とされやすいのが、防水やメンテナンスの負担です。
ベランダやバルコニーは屋外に張り出した構造のため、防水処理が欠かせません。経年とともに防水層の劣化が進むと、補修やメンテナンスが必要になる場合があります。
具体的な費用は、仕様や劣化の状況、使用している防水材の種類によって異なりますので、ここで一概に金額をお伝えすることはできませんが、定期的な点検や、将来的な補修の可能性をあらかじめ想定しておくことは大切です。
実際に「使っていないバルコニーのために、数年後にメンテナンス費用がかかると知って驚いた」というお声をいただいたこともあります。また、手すり際や床の隅は、ほこりや落ち葉がたまりやすく、こまめな掃除が必要になる点も、見落とされがちなポイントです。

▶ 床面積・コストの使い道として再検討する価値
延床面積や建築費には、当然ながら限りがあります。ベランダ・バルコニーにあてる分の面積や費用を、室内の収納や居室の広さ、書斎やワークスペースなど、別の用途に振り分けるという選択肢も検討の余地があります。「とりあえずつける」のではなく、「その面積・予算を他に使った場合と比べて、どちらがご家庭にとって暮らしやすいか」という視点で比較してみることが、後悔の少ない判断につながります。
▶ 必要かどうかを判断するための視点
ここまで見てきたように、ベランダ・バルコニーの要否は、ご家庭の暮らし方や、将来の変化によって異なります。どちらが正解ということではなく、ご夫婦にとっての優先順位を整理することが、判断の出発点になります。
▶ ライフスタイルから考える
まずは、現在および将来の洗濯スタイルを、できるだけ具体的にイメージしてみましょう。外干しを基本にしたいのか、乾燥機や室内干しスペースで完結させたいのかによって、必要なスペースの考え方は大きく変わってきます。
共働きで時間が限られているご家庭ほど、洗濯にかける手間を減らす設計が好まれる傾向もあります。逆に、休日は天気の良い日に外でゆっくり洗濯物を干したいという方にとっては、バルコニーが暮らしの満足度を高める要素にもなり得ます。
▶ 将来の暮らしの変化を見据える
お子様の成長や働き方の変化によって、洗濯物の量や干し方が変わることもあります。今だけでなく、5年後・10年後の暮らし方も想像しながら検討すると、判断の精度が上がります。
たとえば、お子様が成長してスポーツ用品やシーツ類の洗濯が増える時期には、外干しスペースの使い方が変わることもあります。
反対に、将来的に家事を効率化したいという考えから、当初予定していたバルコニーを取りやめ、室内のランドリースペースを充実させるご家庭もあります。平屋をご検討の場合は、2階バルコニーという選択肢自体がなくなる一方で、庭やデッキなど別の屋外スペースで同じ役割を補うことができないか、あわせて検討してみるとよいでしょう。

▶ 代替案という選択肢
外干しのスペースが欲しい場合でも、必ずしも大きなバルコニーである必要はありません。最小限のサイズの物干しスペースや、サンルーム、室内に設けるランドリースペースなど、目的に応じた代替案を比較検討することも一つの方法です。
たとえば、ファミリークローゼットと隣接させたランドリールームを設け、洗濯から乾燥、収納までを一室で完結させる間取りも人気があります。それぞれの方法には費用面・使い勝手の面で特徴がありますので、ご自身の暮らし方に近いものを選んでいただくことをおすすめします。

ベランダ・バルコニーを後悔なく選ぶための進め方
ベランダ・バルコニーの要否は、間取り全体とのバランスの中で検討することが大切です。最後に、後悔のない選択をするための進め方を整理します。
検討の際は、次のような点を一度書き出してみることをおすすめしています。
• 外干しを基本にしたいか、室内干しや乾燥機で完結させたいか
• 屋外でくつろぐ時間や、子どもと過ごす時間を持ちたいか
• 防水メンテナンスや掃除の手間をどこまで許容できるか
• バルコニーにかける予算を、他のスペースに振り分けた場合どうなるか
▶ 優先順位を整理する
まずは、「外せないこと」と「できれば叶えたいこと」を分けて整理すると、判断がしやすくなります。
洗濯動線、収納量、居室の広さ、屋外で過ごす時間の有無など、他の希望と合わせて優先順位をつけてみましょう。私たちが行っている家づくり勉強会でも、こうした優先順位の整理を一緒に行う時間を設けています。お子様連れでの相談にも対応できる環境を整えていますので、まずは肩の力を抜いてご相談いただければと思います。
▶ 設計士など第三者の視点を取り入れる
ご夫婦だけで判断に迷う場合は、設計担当者に率直に相談してみることもおすすめです。
間取り全体のバランスや費用配分を踏まえたうえで、ベランダ・バルコニーをつけたプランと、つけずに他のスペースを充実させたプランを比較しながら検討できると、納得感のある判断につながりやすくなります。実際の図面やパース、可能であれば構造見学会などで実物のスケール感を確認しながら検討すると、イメージのズレを防ぎやすくなります。
なお、こうした判断は一度決めたら変えられないものではなく、設計の途中段階であれば見直しが可能な場合もありますので、迷ったときは早めに相談していただくことをおすすめします。

この記事のまとめ
ベランダやバルコニーは、つけることが正解、つけないことが正解というものではありません。
洗濯物の干し方、屋外で過ごす時間の有無、メンテナンスの負担をどう考えるかによって、必要性は変わってきます。大切なのは、ご家庭の暮らし方に合わせて、面積や費用の使い道を含めて検討することです。
迷われた際は、設計担当者と一緒に複数のプランを比較しながら、ご夫婦にとって納得のいく形を見つけていただければと思います。
※本記事は2026年6月末時点の情報です。建築基準法上の取り扱いや自治体ごとのルール、仕様・費用感などは変更される場合があります。詳細は計画段階で設計担当者に個別にご確認ください。
引用元・参照元
本記事は、woodplus(株式会社武建築工房)における家づくり相談・打ち合わせの実務経験をもとに作成しています。あわせて、以下の公的機関の公開情報を確認し、本文の記述に反映しています。
・国土交通省「2025年4月(予定)から4号特例が変わります」(建築基準法改正に関するリーフレット
https://www.mlit.go.jp/common/001500388.pdf
・国土交通省「床面積の算定方法に関する技術的助言(旧建設省通達 住指発第115号関連)」
https://www.mlit.go.jp/notice/noticedata/sgml/097/81000025/81000025.html
・神奈川県建築行政連絡協議会「神奈川県建築基準法取扱基準 ― 面積、高さ、階数等の算定方法 ―」(バルコニーの床面積算定における自治体運用の参考として)
https://www.pref.kanagawa.jp/documents/24926/390829.pdf
※建築面積・容積率・床面積の算入条件、建築確認手続きの要否は、自治体や敷地条件、設計内容によって異なります。本記事の内容は一般的な傾向を整理したものであり、個別の判断は必ず自治体の建築指導課または設計担当者にご確認ください。
よくある質問(FAQ)
Q1. ベランダとバルコニーは何が違うのですか?
A. 一般的に、屋根がなく外壁から張り出した形のものを「バルコニー」、1階の屋根部分などを利用したものを「ベランダ」と呼ぶことが多いですが、明確な定義は会社や地域によって異なる場合があります。本記事では、どちらも屋外の干し場・テラス的なスペースとして扱っています。
Q2. バルコニーをなくすと、建築費は安くなりますか?
A. バルコニーの規模や仕様によって影響は異なるため、一概には言えませんが、面積や防水・手すりなどの仕様分のコストを、他の部分に振り分けられる可能性はあります。具体的な金額は、プランごとの見積りでご確認いただくことをおすすめします。
Q3. 後からバルコニーを増設することはできますか?
A. 構造や外壁の仕様によっては、増設が難しい場合や、別途大掛かりな工事が必要になる場合があります。また、2025年4月に施行された建築基準法の改正により、木造2階建て住宅などの多くが「新2号建築物」に区分され、増築や一定規模以上のリフォームの際にも建築確認申請が必要になるケースが増えています(出典:国土交通省)。これにより、後から増設する場合の手続きや費用負担が、以前より大きくなる可能性があります。将来的に増設を検討する可能性が少しでもある場合は、新築時の設計段階で相談しておくと、選択肢を残しやすくなります。
Q4. バルコニーの防水メンテナンスは、どのくらいの頻度で必要ですか?
A. 使用している防水材の種類や環境によって異なるため、断定はできませんが、定期点検のタイミングで状態を確認し、必要に応じて補修を行うことが一般的です。気になる症状(ひび割れ、水たまりなど)があれば、早めに相談することをおすすめします。
Q5. 平屋にもバルコニーは設置できますか?
A. 構造上は設置可能な場合もありますが、平屋の場合は庭やデッキなど、地面に近い屋外スペースで同様の役割を果たせることも多いため、間取り全体とのバランスを見ながら検討することをおすすめします。
woodplusの施工エリアについて
弊社woodplus(株式会社武建築工房)では、高槻市を中心に、島本町、茨木市、枚方市、摂津市、守口市、寝屋川市、吹田市、箕面市、豊中市、片野市周辺エリアなど、事務所から車で1時間圏内を主な施工エリアとしてご相談を承っています。
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