【6割超が窓を開放】
夏の防犯リスクの実態調査から見える、住まいの死角とは?
2026.08.24
こんにちは。
高槻市を中心に注文住宅やリノベーションを手掛ける工務店、woodplus代表の武下です。
暑さが厳しくなるこの時期、少しでも涼しく過ごそうと、風を通すために窓を開けたまま過ごすご家庭は多いのではないでしょうか。夕方になっても気温が下がりきらない日が続くと、エアコンだけに頼らず、窓からの風で涼をとりたくなるのは自然なことだと思います。
ただ、実はこの「窓の開けっぱなし」が、夏特有の防犯リスクにつながっていることは、意外と知られていません。今回は、パナソニック株式会社の実態調査と警察庁の統計をもとに、夏に見落としがちな防犯の盲点をお伝えします。住宅初心者の方にも分かりやすいよう、通年で取り入れられる対策まで整理しました。これから家づくりを考えるご家族にとって、知っておいて損はない内容です。

夏は6割超が「窓を開けたまま」。玄関との意識の差に注意
夏場は、電気代の節約や換気を目的に窓を開けて過ごす方が多く、そこに防犯上の死角が生まれやすいというのが結論です。
パナソニック株式会社は、首都圏(東京・神奈川・千葉・埼玉)にお住まいの一戸建て居住者800名を対象に「夏の防犯リスクの実態調査」を実施しました。この調査によると、暑い時期に電気代対策として窓を開けて過ごすことが「かなりある」「たまにある」と答えた人は合わせて65.8%にのぼりました。
特に60代では71.3%に達しており、シニア世代を中心に、猛暑を乗り切るための「窓の開放」が生活の一部になっている様子がうかがえます。地域による差はあるかもしれませんが、電気代や暑さへの対応として窓を開ける機会が増えるという傾向自体は、多くのご家庭に共通するのではないでしょうか。

一方で、同じ調査では自宅の防犯対策として意識している場所を尋ねたところ、「玄関のドア」への意識は78.1%と非常に高いのに対し、「2階以上の部屋の窓」は44.8%、「ベランダ・バルコニーの掃き出し窓」は42.3%、「キッチンや浴室・トイレなどの小窓」は39.1%と、いずれも半分以下にとどまっています。玄関まわりの施錠にはとても敏感な一方で、風を通すために開け放たれた窓が、意識の外に置かれやすいという実態がここから見えてきます。
この傾向は、私たちが日々お客様と接する中でも感じるところです。「玄関の鍵は防犯性の高いものを選んだけれど、窓のことまでは考えていなかった」というお声を、家づくりのご相談の場でもよく耳にします。夏は特に、風通しの良さと防犯のバランスをどう取るかが、住まいづくりの実務的なテーマになります。
| 意識している場所 | 割合 |
| 玄関のドア | 78.1% |
| 2階以上の部屋の窓 | 44.8% |
| 掃き出し窓(ベランダ等) | 42.3% |
| キッチン・浴室・トイレの小窓 | 39.1% |

換気そのものをやめる必要はありません。網戸のロックを併用する、窓を開ける幅を制限するストッパーを取り入れる、外から室内の生活パターンが読み取りにくいようカーテンやブラインドの使い方を工夫するなど、風を通しながらも死角をつくらない工夫は十分に可能です。
「開けるか、閉めるか」の二択ではなく、「安全に開ける方法」を考えていただくのが、無理のない防犯対策の第一歩になります。

「2階だから安心」「昼間だから大丈夫」という油断が生まれる理由
高い場所や日中の時間帯であっても、侵入のリスクがなくなるわけではないという点を、まず押さえておく必要があります。
先ほどの調査で、2階以上の窓を開放している人に高所の窓についての意識を聞いたところ、「在宅中であれば安全だと思う」と答えた人が45.5%、「昼間であれば比較的大丈夫だと思う」が34.7%、なかには「高い場所なので不審者に侵入される心配はないと思う」という回答も17.8%見られました。
しかし、実際にはエアコンの室外機や雨どい、物置などが、2階への侵入を試みる際の「足場」として利用されるケースが少なくないとされています。高い場所だからといって、侵入のハードルが下がるわけではないという点は、意外と見落とされがちなポイントです。

あわせて、警察庁の統計データもご紹介します。
政府広報オンラインが警察庁「住まいる防犯110番」の情報をもとに公表している内容によると、令和6年(2024年)の住宅侵入窃盗は、住宅の形態にかかわらず、鍵の掛かっていない箇所からの侵入が多くを占めているとされています。
また、警察庁「犯罪統計書:令和5年の犯罪」では、住宅への侵入手段のうち「無締り(鍵の閉め忘れ)」が全体の46.5%ともっとも多く、次いで「ガラス破り」が30.5%、ピッキングなどの「施錠開け」は8.4%にとどまるという結果が示されています。年度によって数値の内訳は多少異なりますが、いずれの年も「鍵の掛け忘れ」と「窓ガラスを破っての侵入」が主な手口となっている点は共通しており、一戸建て住宅では窓からの侵入割合が高い傾向にあるともされています。
なお、ピッキングなどの「施錠開け」の割合が低くなっているのは、防犯性能の高い錠が普及してきたことも背景にあるとされています。裏を返せば、鍵そのものの性能を高めるよりも先に、「開けっぱなし」「閉め忘れ」をなくすことのほうが、日々の暮らしの中では取り組みやすい対策だといえそうです。
つまり、「鍵をかけ忘れた窓」と「人目につきにくい窓」の二つが、特に注意すべきポイントということになります。また、警察庁「住まいる防犯110番」では、侵入に時間がかかるほど犯行を諦める傾向にあることも紹介されています。「侵入に時間がかかりそうな家だ」と思わせることができれば、それ自体が有効な防犯対策になるということです。
ここで、夏に見直しておきたいチェックポイントを整理します。
- ・短時間の外出や在宅中でも、使っていない窓は施錠する習慣をつける
- ・室外機や物置、フェンスなど、2階への足場になりやすいものの配置を見直す
- ・死角になりやすい窓(裏手・勝手口・浴室など)には補助錠や防犯フィルムを検討する
- ・掃き出し窓や小窓など、意識が薄れがちな窓ほど優先的に対策する

補助錠を一つ追加する、窓ガラスに防犯フィルムを貼るといった工夫は、大がかりな工事をしなくても比較的取り入れやすい一般的な防犯対策として知られています。まずはご自宅の窓を一つずつ点検してみることから始めてみてください。
長期不在時の「不安7割」と「対策は戸締まりのみ」というギャップ
夏休みの帰省や旅行など、家を空ける機会が増える時期は、不安を感じるだけで終わらせず、複数の対策を組み合わせることが結論として大切です。
同調査では、長期不在時に空き巣などの防犯面で不安を感じるかという質問に対し、「かなり不安を感じる」「少し不安を感じる」を合わせて70.5%の人が不安を抱いていると回答しています。一方で、実際に行っている対策を聞いたところ、「すべての窓・ドアの戸締まり」が76.5%と圧倒的多数を占め、それ以外の対策の実施率は限定的でした。センサーライトの設置は30.1%、窓への補助錠設置は25.9%、防犯カメラの設置は17.0%、近隣の知人や親戚への声掛けは11.1%にとどまっています。
この数値をみてわかることは、不安は感じているものの、具体的な行動には移せていない方が多いという実情です。戸締まりはもちろん基本ですが、それだけに頼らない備えを、いくつか組み合わせておくことが安心につながります。

| 長期不在時の対策 | 実施率 |
| すべての窓・ドアの戸締まり | 76.5% |
| センサーライトの設置 | 30.1% |
| 窓への補助錠設置 | 25.9% |
| 防犯カメラの設置 | 17.0% |
| 近隣への声掛け | 11.1% |
戸締まり以外に取り入れやすい対策としては、以下のようなものが挙げられます。
- ・照明を自動で点灯・消灯させ、在宅しているように見せる仕組みを利用する
- ・敷地内への接近を検知して知らせるセンサーライトやカメラを設置する
- ・新聞や郵便物がたまらないよう、あらかじめ止める手続きをしておく
- ・近隣の方に一言声をかけておき、様子を気にかけてもらえる関係を保つ

近隣とのつながりが薄れつつある地域も増えていますが、ちょっとした声掛けが防犯の面でも意味を持つことがあります。ご夫婦だけで抱え込まず、周囲との関係性も含めて対策を考えていただければと思います。
私たちがこれまでにお聞きした中には、「実家への帰省中に、隣家の方が郵便受けの新聞を毎日取り込んでくださっていた」というお話もありました。こうした関係性は一朝一夕には築けませんが、日頃の挨拶や声掛けの積み重ねが、いざというときの安心につながることもあります。防犯対策というと機器や設備を思い浮かべがちですが、暮らしの中の人とのつながりも、立派な備えのひとつだといえます。
家づくりの段階から考える、窓と間取りの防犯対策
防犯性能は、住み始めてから対策を足すよりも、設計の段階であらかじめ考えておくほうが、無理なく、見た目にも自然に取り入れやすくなります。
woodplusでは、標準サッシとして、YKK APの高性能樹脂窓「APW330」、または三協アルミの「エスティナ」のいずれかを採用しています。窓は夏の涼しさや冬の暖かさを左右する断熱の要であると同時に、防犯上もっとも意識したい部位でもあります。性能の高い窓を選ぶことは、快適性と安心の両方につながる選択といえます。

また、間取りの計画段階でも防犯に配慮できる部分があります。
たとえば、道路や隣家からの視線をコントロールしながら光を取り込む設計や、勝手口・浴室の小窓など死角になりやすい位置の配置を工夫することで、侵入されにくい住まいづくりにつなげることができます。私たちが得意とする「光とプライバシーを両立する環境設計プラン」も、こうした考え方をベースにしています。

家づくりの段階で防犯を検討する際に、押さえておきたい視点を整理します。
- ・窓の性能(防犯性・断熱性)を、価格だけでなく機能面からも比較する
- ・死角になりやすい窓の位置や数を、設計段階で確認する
- ・室外機や物置の配置が、2階への足場にならないか事前に検討する
- ・完成後に後付けする場合の費用感も、あらかじめ確認しておく
すでにお住まいの方は後付けの対策が中心になりますが、これから家を建てる方は、性能・間取り・配置の三つを設計段階で組み合わせられるという利点があります。どちらの場合も、「窓は防犯の要」という視点を持っていただくことが、安心して暮らし続けるための土台になります。
実際のご相談の場でも、「デザイン優先で窓を大きく取りたいけれど、道路からの見え方が気になる」というご夫婦は少なくありません。そうした場合、窓の大きさや位置を変えずに、植栽や外構でさりげなく視線を遮る、あるいは高窓(ハイサイドライト)を組み合わせて採光と目隠しを両立させるなど、間取りの打ち合わせの中で調整できる方法はいくつもあります。
防犯とデザインは、対立するものではなく、設計の工夫次第で両立できる部分が大きいというのが、これまで多くの現場に携わってきた実感です。
この記事のまとめ
夏は換気や節電のために窓を開ける機会が増える一方で、その窓が防犯上の死角になりやすい時期でもあります。玄関の施錠意識は高くても、窓や長期不在時の対策までは手が回っていないというのが、多くのご家庭に共通する実態です。
- ・夏場は6割以上が窓を開けて過ごしており、玄関に比べて窓への防犯意識は低めになりがちです
- ・「2階だから」「昼間だから」という油断が、足場を使った侵入リスクを見落とす原因になります
- ・住宅への侵入は、鍵の掛け忘れやガラス破りが多くを占めるとされています
- ・長期不在時は7割が不安を感じる一方、対策は戸締まりのみに偏りやすい傾向があります
- ・家づくりの段階から窓性能や間取りを工夫することで、無理のない防犯対策につなげられます
まずは、ご自宅やこれから建てる住まいの窓を一つずつ思い浮かべ、「ここは死角になっていないか」を確認することから始めてみてください。
小さな見直しの積み重ねが、ご家族の安心につながります。
※本記事は執筆時点(2026年8月中旬)の情報です。統計データや調査結果、制度、商品仕様などは、実施団体や公的機関により変更・更新される場合がありますので、最新の内容は各出典元にてご確認ください。
※本記事には、内容理解を助ける目的で一部AI生成画像を使用しています。
引用元・参照元
- • 内閣府政府広報室「空き巣や強盗から命と財産を守る『住まいの防犯対策』」(資料:警察庁「住まいる防犯110番」、令和6年データ)
https://www.gov-online.go.jp/article/202310/entry-9977.html - • 警察庁「住まいる防犯110番」(侵入者プロファイリングhttps://www.npa.go.jp/safetylife/seianki26/theme_a/a_e_3.html
- • パナソニック株式会社 コミュニケーションデザインセンター「夏は6割超が“窓を開けたまま生活”。『2階だから安心』に潜む盲点。長期不在時も『戸締まり頼み』に。猛暑にともなう防犯対策の“盲点と課題”が明らかに【夏の防犯リスクの実態調査】」(PR TIMES、対象:首都圏一戸建て居住者800名)
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000001227.000024101.html - • HOME ALSOK研究所「最新の統計データから読み解く、侵入窃盗の傾向と防犯対策はコレ!」(出典:警察庁「犯罪統計書:令和5年の犯罪」/警察庁「令和6年の刑法犯に関する統計資料」)https://www.alsok.co.jp/person/recommend/071/
よくある質問<FAQ>
Q1. 夏だけ窓の防犯対策をすれば十分ですか?
A.夏は窓を開ける機会が増えるため意識していただきたい時期ではありますが、侵入窃盗そのものは季節を問わず発生するとされています。夏をきっかけに、窓の施錠や補助錠の設置など、通年で続けられる習慣に見直していただくと安心につながります。
Q2. マンションでも一戸建てと同じような対策が必要ですか?
A. 住宅の形態によって、狙われやすい場所や手口の傾向は多少異なるとされています。一戸建てでは窓からの侵入が多い傾向にありますが、共同住宅でも玄関の施錠忘れなどが原因になるケースがあります。ご自宅の形態に合わせて、優先度の高い場所から対策を検討していただければと思います。
Q3. 防犯カメラやセンサーライトは、新築時に付けたほうがいいですか?
A. 配線や設置位置を後から変更するのは手間がかかることが多いため、新築のタイミングで検討しておくと、見た目もすっきりと仕上げやすくなります。もちろん、入居後に必要な部分だけ追加していく方法も可能ですので、ご家庭の状況に合わせてご相談ください。
Q4. 窓の防犯性能は、断熱性能と両立できますか?
A. はい、両立は可能です。近年の高性能樹脂窓は、断熱性と一定の防犯性を兼ね備えたものが増えています。窓を選ぶ際は、デザインだけでなく、性能面の比較もあわせて行っていただくことをおすすめします。
Q5. 長期不在にする際、これだけはやっておいたほうがいいことはありますか?
A. 「すべての窓・ドアの施錠」を基本としたうえで、照明を自動で点灯・消灯させる、郵便物がたまらないようにする、近隣の方へひと声かけておく、といった対策を一つでも組み合わせていただくと安心感が高まります。無理のない範囲から、少しずつ取り入れてみてください。
woodplus の施工エリアについて
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