【注文住宅の収納計画】モノが多い家族ほど、収納設計で暮らしが変わる理由
2026.06.11
こんにちは。高槻市の工務店、woodplusの武下良太です。
今回は、ご相談の中でとても多い「収納問題」について、設計の視点からお伝えしたいと思います。
「断捨離しなきゃとは思っているけど、なかなか捨てられなくて…」。
家づくりのご相談の中で、こんな言葉をよく耳にします。
外から見れば性格の問題のように思われがちですが、モノが多い本当の原因は、収納の設計が生活に合っていないことにあるケースがほとんどです。
この記事では、注文住宅の収納設計をどう考えるべきか、実際の間取りづくりの視点からわかりやすくお伝えします。
「片づけが苦手」と感じているご夫婦にこそ、ぜひ最後まで読んでいただきたい内容です。

「片づかない家」の原因は、性格ではなく設計にある
まず結論からお伝えします。
片づかない家の多くは、収納量や収納場所が「実際の生活動線」とズレているのが原因です。
よくあるのが、こんなケース。
帰宅してすぐにリビングのソファにバッグを置いてしまう。
キッチンのカウンターに郵便物が溜まっていく。
脱いだ上着が椅子の背もたれにかかったまま……。
どれも「ここに置くのが一番ラクだから」という人間の自然な行動の結果です。

問題は、ラクに置ける場所と、しまう場所が一致していないことにあります。
私たちが家づくりの現場でお客様と打ち合わせを重ねる中でも、「前の家では片づけが大変だったけど、新しい家では自然と片づくようになった」というお声をよくいただきます。
収納は、量よりも「どこに、どんな形で置けるか」の設計が、暮らしの快適さに直結しています。
「使う場所の近く」にしまえるかどうかが最重要
収納設計の基本は、「使う場所の近くにしまえること」です。
たとえば、毎朝の着替えを洗濯→乾燥→畳む→しまうという動線で考えてみましょう。
洗濯機が1階、干す場所が2階のベランダ、タンスが寝室……という構成では、洗濯一つに何度も階段を往復しなければなりません。
それが日々の疲れを積み重ね、気づけばどこかに「仮置き」が生まれ、部屋が乱れていきます。
一方、洗濯機、乾燥機、ランドリールーム、ファミリークローゼットをひとつのゾーンにまとめると、洗濯から収納まで最短で完結します。
動線が短くなると、「しまうのが面倒」という感覚が自然と減っていきます。

「一時置き」の場所を設計の中に意図的に組み込む
もうひとつ、設計の中でよく見落とされるのが「一時置き」の場所です。
外から帰ってきたとき、バッグ、上着、鍵、マスク…これらをいったんどこかに置く動作は、ほぼ毎日発生します。
この「一時置きの行動」を設計で受け止めてあげることが、玄関やLDKを常にきれいに保つための大切なポイントです。
具体的には、玄関横に土間収納やコート掛けを設ける、玄関からリビングへの動線上にちょっとしたカウンターを置くスペースを作る、といった工夫が有効です。
「どうせ置くなら、ここに置けばいい」という場所を用意してあげることで、リビングや寝室への「モノの流入」を防げます。

注文住宅だからこそできる、収納設計の3つの工夫
注文住宅の大きなメリットは、収納の場所、大きさ、形を自分たちの暮らしに合わせて自由に設計できる点です。
既製品の間取りでは対応しきれないご家族の暮らし方を、一から考えることができます。
① 玄関まわりの収納を「動線の起点」として設計する
玄関は、外と内をつなぐ最初の接点です。
ここでの収納設計が、家全体の片づきやすさに大きく影響します。
woodplusでよくご提案するのが、「玄関横の土間収納+コート掛け」のセットです。
帰宅したら、靴を脱いで、コートをかけて、バッグを一時置き——この一連の動作を玄関まわりで完結させることで、リビングへモノを持ち込む量が格段に減ります。
さらに、共働き世帯のご家庭では「玄関→パントリー→キッチン」という直線動線も好評です。
買い物帰りに重い荷物を玄関からすぐパントリーへ運び込める設計は、毎日のちょっとした負担を減らしてくれます。

② ファミリークローゼットで「衣類管理」をひとまとめに
各個室にクローゼットを分散させるのではなく、家族全員の衣類を一か所にまとめる「ファミリークローゼット」は、子育て世帯や共働き世帯を中心に、近年広く支持されている間取りのひとつです。
特に効果的なのが、「脱衣室→ランドリールーム→ファミリークローゼット」を隣接させた洗濯動線です。
洗濯物を乾かして、そのままの流れで畳んで収納まで完結するため、家事にかかる時間と手間が大幅に短縮されます。

ファミリークローゼットは広さが必要なのでは?と思われる方もいますが、家族の人数や収納量によって異なるものの、3〜4人家族であれば3〜4畳程度が目安とされることが多いようです(3人家族の場合は2〜3畳で十分なケースもあります)。
大切なのは広さよりも「洗濯動線の中にどう組み込むか」という位置関係です。
③ 造作家具で「デッドスペース」を生きた収納に変える
市販の収納棚では対応できない、階段下のスペースや壁のくぼみ、天井近くの空間——こうした場所を活かした「造作収納」は、注文住宅ならではの大きな魅力です。
woodplusでは、職人が手づくりする造作家具をご提案しています。
部屋の寸法にぴったり合わせた棚や、リビングの壁面収納、キッチン横のカウンター収納など、市販品では埋められない隙間を有効活用できます。

見た目がすっきりまとまるだけでなく、「しまいやすく取り出しやすい」設計にできるのも造作収納の強みです。
扉の有無、棚の高さ、引き出しの深さまで、実際の使い方に合わせて設計できます。
「どれくらい収納が必要か」の目安と考え方
収納の適切な量は、家族の人数、ライフスタイル、趣味、モノの多さによって大きく変わります。
住宅の床面積に占める収納スペースの割合(収納率)は、戸建て住宅では10〜15%程度を目安とする考え方が広く知られていますが、これはあくまでひとつの参考値です。
「何をどこに収めるか」を具体的にイメージしてから設計することの方が、実際の使い勝手には直結しやすいといえます。
打ち合わせの中でよくお伝えするのは、「今の家で収納できていないモノ」と「よく使うのに取り出しにくいと感じているモノ」を事前にリストアップしておくことです。
これをベースにすると、どこにどんな収納が必要かが明確になり、設計の議論がスムーズに進みます。

また、「子どもが小さいうちは大空間として使い、成長したら収納や個室に区切る」という可変型の設計も、woodplusが得意とするプランのひとつです。
今の暮らしだけでなく、5年後・10年後のライフステージも視野に入れて、収納の在り方を一緒に考えていきます。
「後から増やす」は難しい。最初に整理しておくこと
収納設計でよく後悔するのが、「完成してから収納が足りないと気づく」ケースです。
完成後に後付けの棚を買い足したり、押し入れに詰め込みすぎて取り出しにくくなったりすることは珍しくありません。
特に見落とされやすいのが、以下のような収納です。
・掃除用具や日用品のストック置き場(パントリー・納戸)
・季節もの(扇風機・暖房器具・クリスマスツリーなど)の収納場所
・子どもの学用品・おもちゃの置き場
・外遊び道具・スポーツ用品などのアウトドアグッズ

設計段階でこれらを一つひとつ確認しながら「どこにしまうか」を決めておくと、完成後のストレスが大幅に減ります。
woodplusが収納設計で大切にしていること
woodplusでは、収納の設計を「モノをしまう場所を決める作業」とは捉えていません。
その家族の毎日の動きを整理し、「どう動けば一番ラクか」を一緒に考える作業だと思っています。
打ち合わせでは、ご夫婦それぞれの家事の分担や、帰宅後の行動パターン、お子さまの成長に伴う変化なども含めて、丁寧にヒアリングしています。
「今の家で不便に感じていること」を洗い出すことが、設計のスタート地点になります。
また、収納は見た目の整いやすさも大切です。
扉をつけてすっきり見せるのか、オープンにして使いやすさを優先するのか。
どちらが正解ということではなく、その家族の暮らし方に合った答えを、一緒に探していきます。

まとめ
今回の記事のポイントを整理します。
☑ 片づかない原因の多くは、収納の場所や形が生活動線に合っていないこと
☑ 「使う場所の近く」にしまえる設計が、自然と片づく家への近道
☑ 一時置きの場所を意図的に設けることで、リビングへのモノの流入を防げる
☑ ファミリークローゼット・玄関収納・造作家具など、注文住宅ならではの収納設計がある
☑ 完成後に後悔しないよう、設計段階で「何をどこにしまうか」を具体的に整理しておくことが大切
「断捨離できないのは仕方ない」と諦める前に、収納の設計を見直してみてください。
家づくりは、暮らし方そのものを整える機会でもあります。
woodplusの施工エリアについて
woodplus(株式会社武建築工房)では、高槻市を中心に、島本町・茨木市・枚方市・摂津市・守口市・寝屋川市・吹田市・箕面市・豊中市などのエリアで家づくりのご相談を承っています。
事務所から車で1時間圏内を主な施工エリアとしています。上記エリア外のご相談については、まずお気軽にお問い合わせください。
収納の悩みも含めて、家づくりのことで気になることがあれば、どうぞお気軽にご相談ください。
「まだ計画の初期段階で…」という方でも大丈夫です。まずは情報収集からでも構いません。
woodplusでは、家づくり勉強会や個別相談・完成見学会も随時開催しています。
実際に建てた住まいの収納設計を体感していただける機会もありますので、ご興味があればお声がけください。LINEやオンライン相談にも対応しています。
引用元・参照元
・MY HOME STORY|スーモカウンター注文住宅「【実例付き】ファミリークローゼットのメリット・デメリットは? 広さ、間取り、レイアウト、収納計画など後悔しないためのポイント解説」
https://www.suumocounter.jp/chumon/report/jitsurei/entry/family_closet/
・住まいの情報館「注文住宅の最新トレンドキーワードは『動線』『可変性』『省エネ・耐震』『レジリエンス』」
https://www.jutakujohokan.co.jp/article/2025/10/04/customhome_trend/
・四季の住まい「家事動線の良い間取りとは?ランドリールーム、ファミリークローゼットなどのアイデアをご紹介」
https://shikinosumai.net/column/kajidousen/
・アイダ設計いろどりアイタウン「戸建て住宅の収納の目安は?新築の収納に関するポイントや注意点」
https://bukken.aidagroup.co.jp/column/142/
※本記事は執筆時点の情報をもとに作成しています。収納率の目安などの数値は一般的な参考値であり、家族構成やライフスタイルによって最適な計画は異なります。設計の詳細については、専門家への個別相談をおすすめします。
よくある質問
Q1. 収納は「多ければ多いほど良い」のでしょうか?
量があれば安心と思われがちですが、使いにくい場所にある収納はかえって「死蔵スペース」になりやすいです。大切なのは量よりも「どこに・どんな形で・何をしまうか」を設計段階で具体的に決めておくことです。生活動線と連動した収納設計が、片づきやすい家につながります。
Q2. ファミリークローゼットはどのくらいの広さが目安ですか?
家族の人数や収納量によって異なりますが、3〜4人家族では3〜4畳程度が目安とされることが多いようです。3人家族の場合は2〜3畳で十分なケースもあります。ただし、広さよりも「洗濯動線の中にどう組み込むか」という位置関係の方が、使い勝手には大きく影響します。設計の際はライフスタイルに合わせて、担当者と具体的に検討することをおすすめします。
Q3. 子どもが小さいうちは広いLDKが使いやすいと聞きました。将来の収納はどう考えればいいですか?
子どもの成長に合わせて間取りを変えられる「可変型プラン」がひとつの答えです。たとえば、子どもが小さいうちはLDK隣の和室をプレイスペースとして使い、成長後に個室として区切るといった方法があります。将来の変化を見越して、収納の位置や容量をあらかじめ設計に織り込んでおくと安心です。
Q4. 造作収納は費用がかかりますか?
市販品に比べると費用が発生するケースがありますが、デッドスペースを有効活用できる点や、部屋の寸法にぴったり合わせられる点で、コストパフォーマンスが高いと感じる方も多いです。どこに造作収納を入れるかを優先順位をつけて決めると、予算内でバランスよく計画しやすくなります。詳しくはご相談ください。
Q5. 収納の打ち合わせはいつ頃から始めるのがよいですか?
間取りを決める設計段階から一緒に検討するのが理想です。完成後に収納を追加するのは難しいケースが多いため、「何をどこにしまうか」を設計初期の段階から具体的に洗い出しておくことをおすすめします。まずは現在お住まいで「不便に感じている収納の悩み」をメモしておくだけでも、打ち合わせがスムーズになります。

